国島が提唱する、わが国における新しい「トラッド」を、様々な角度から追求していく本ページ。
その第3回目は、近年国島が手がけたことで話題を集めている、
純国産のツイードブランドJ.SHEPHERDSがテーマ。このプロジェクトに参画する「愛知牧場」を訪ね、
そこで働く数少ない〝日本の羊飼い〟を取材しました。
国島が提唱する、
わが国における新しい「トラッド」を、
様々な角度から追求していく本ページ。
その第3回目は、近年国島が手がけたことで
話題を集めている、
純国産のツイードブランド
J.SHEPHERDSがテーマ。
このプロジェクトに参画する
「愛知牧場」を訪ね、そこで働く数少ない
“日本の羊飼い”を取材しました。
「羊をうまく育てるには、もう甘やかすしかないですね」
愛知牧場で働く“羊飼い”の丸岡圭一さんは、嬉しそうに目を細めて語りました。
国島と同じ愛知県に位置し、このエリアにおけるレジャースポットとして親しまれている“あいぼく”こと愛知牧場。動物たちとのふれあいを主な目的とするこの牧場では、現在25頭ほどの羊が飼われているのですが、その育ての親こそが丸岡さん。こちらで羊飼いとして働きだして、もう16年を超えるベテランです。
早朝、丸岡さんがたくさんの干し草を携えて牧場に現れたら、待ちに待った食事タイム。羊たちがいっせいに牧舎から飛び出します。干し草に真っ先に駆けつけるせっかちな羊、ヤギにおびえて遠慮しがちな羊、のんびりと地面に生えた草を食む羊……。ひとことで羊といっても種類も性格も様々。丸岡さんは、一頭一頭の個性に合わせて世話をしています。
「羊って、なかなか懐かない動物なんです。もちろんエサのときは集まってくるけれど、いざ捕まえてなにかしようとすると、すぐに察知して逃げてしまう。なので好かれないと、言うことを聞いてもらえないんですよ」
そんな話を聞かされたら、ぜひともここのウールで織ったツイードを見てみたくなるものですが、意外なことに目の前にありました! この日丸岡さんが着ていたベストは、愛知牧場で生産したウールを使って国島が織り上げた、J.SHEPHERDSのツイード生地。染色を一切施さず、羊の色そのままに仕上げた逸品です。ヨーロッパの羊飼いを思わせるデザインも相まって、丸岡さんにとっては宝物のような一着なのだとか。
「羊の魅力って、“その先”があることだと思うんです。ただ育てて終わり、ということではなく、毎年毛を刈れば、それを欲しがる方がいて、そこから人との繋がりが生まれてくる。国島さんともそうやって繋がれたわけで、育てれば育てるほど、やりがいがどんどん増してくるんです」
1万年にわたって私たち人間と共存してきた、羊という偉大なる動物。丸岡さんはその可能性をさらに広げるべく、日々奮闘を続けています。
愛知牧場では、昨年の11月に「羊フェスタ」を開催。刈り取ったウールフリースを糸に紡ぐまでの実演から、世界各国の羊料理の屋台、そしてJ.SHEPHERDSのツイードのオーダー会にいたるまで、羊文化の粋を集めたこのイベントには、なんと2日で1500人以上が来場したそうです。
「まだ羊の文化が根付いていない日本では、自分自身で試行錯誤していくしかないんです。手間はかかりますが、その分だけ羊は返してくれる。本当にやりがいがありますね」と丸岡さん。
「日本の羊飼いの皆さんって、みんなロマンティックなんですよ」。
これはJ.SHEPHERDSを立ち上げ、日本中の牧場を訪ね歩いてきた、国島社長・伊藤核太郎の口癖です。丸岡さんを取材したときに真っ先に思い出したのは、この言葉でした。
羊をはじめとする様々な動物とのふれあいや、季節の花々、バーベキューなどを楽しめる、愛知県を代表する観光牧場。
ウールの毛刈りは3〜5月に行っており、「羊フェスタ」も開催予定。イベントの詳細はHPをご参照ください。
住所/愛知県日進市米野木町南山977
TEL/0561-72-1300
https://aiboku.com
羊をはじめとする様々な動物とのふれあいや、
季節の花々、バーベキューなどを楽しめる、
愛知県を代表する観光牧場。
ウールの毛刈りは3〜5月に行っており、
「羊フェスタ」も開催予定。
イベントの詳細はHPをご参照ください。
住所/愛知県日進市米野木町南山977
TEL/0561-72-1300
https://aiboku.com